サムスンSDSは今年初め、陸軍の次世代統合指揮統制システム「K-タイタン」開発事業への参加が確認され、ネイバークラウドは1日付で国防AI移行(AX)専任タスクフォース(TF)を正式に発足させた。
防衛産業の輸出市場でハードウェア中心だったK-防衛産業が、ソフトウェアとAIの能力を組み合わせたパッケージ輸出体制へ転換する分水嶺になり得るとの見方が出ている。
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◇ サムスンSDS、K-タイタン事業参加…自社開発の生成AIプラットフォームSCP・FabriXを基盤に実装
業界筋によれば、サムスンSDSは陸軍の次世代統合指揮統制システム「K-タイタン(Korean TITAN)」の開発事業に今年初め参加していることが確認された。
K-タイタンは米陸軍が運用する知能型戦術指揮システム「TITAN(Tactical Intelligence Targeting Access Node)」をベンチマークし、韓国軍の戦術教義と山岳地形に最適化した国産の国防AI指揮決定プラットフォームとして開発が進められている。
サムスンSDSは自社クラウドプラットフォーム「SCP(Samsung Cloud Platform)」と生成型AIプラットフォーム「FabriX」、検索強化生成(RAG)技術をK-タイタン実装の核心技術として提示している。
企業関係者は、RAG技術により軍事機密データベース内だけでAI回答を生成する仕組みを作り、ハルシネーション(誤情報生成)を抑えてセキュリティを確保したと説明する。
サムスンSDSは昨年末に国防クラウドTFを新設し、今年初めに「韓国型タイタン実現策」セミナーを開催して事業化の意思を明確にした。
既に昨年8月、LIGネクスワンの偵察用無人水上艇(USV)「海剣」開発に必要なエッジクラウドの供給契約を受注し、国防AI事業への参入が具体化している。
国家情報院の国家クラウドセキュリティ「上等級」認証も取得し、国防部など主要機関にクラウドを導入する資格を得た状態だ。
◇ ネイバークラウド、代表直轄の国防AX TF…「前方配置エンジニア(FDE)」を前面に配備
ネイバークラウドは1日付で国防AX専任TFを正式に立ち上げた。
ネイバーが国防事業専任のAI組織を設置するのは今回が初めてだ。新設組織はキム・ユウォン(김유원)ネイバークラウド代表が直轄し、AIモデル開発、事業開発、マーケティングの機能を統合して運営する。
組織の核心は国防現場に直接投入され、カスタマイズされたAIソリューションを設計・実装する「前方配置エンジニア(FDE・Field Deployment Engineer)」の職群だ。
FDE方式はエンジニアが軍部隊など現場に常駐してAIシステムをリアルタイムで構築・運用するモデルで、米国パランティアが国防・情報機関向け事業を拡大する過程で競争力の核として活用した方式として知られている。
ネイバークラウドは自社の超大規模AIモデル「ハイパークローバX」とクラウドインフラを組み合わせたソバーリンAIの能力を武器に、国防部や関連機関のAI・クラウド事業が発注されれば積極的に参加する方針を示している。組織の人員規模は公開していない。
◇ ウクライナでの実戦経験と「ソバーリンAI」…外資依存からの脱却という課題
両社の国防AI参入は、ウクライナ戦でAIプラットフォームの戦場活用が示された後に加速した国内需要を反映している。
米国パランティアのAIプラットフォーム「Gotham(ゴッサム)」は、ウクライナ軍が衛星データなどを分析してロシアへの砲撃精度を高めるために活用したと報告されている。
国防の専門家は、軍事機密や安全保障データを外資プラットフォームに依存するとデータ主権が侵害されるリスクがあるだけでなく、韓国軍特有の戦術教義や地形特性を反映しにくい点を指摘する。
「ソバーリン(Sovereign)AI」は、国防領域で国家が独自に保有・制御するAI体制を構築すべきだという考え方だ。
ただし課題は多い。専門家は、陸・海・空それぞれで異なるデータ形式の標準化、リアルタイム戦場データをクラウドAIが学習しにくくしているネットワーク分離規制の緩和、そしてAIの指揮助言を制度的に受け入れるための軍内部の合意形成が先決条件だと強調する。
◇ ハードウェアとソフトウェアのパッケージ輸出…K-防衛産業転換の分岐点
業界が注目するのは輸出の波及効果だ。ポーランドやルーマニアなどK-防衛産業の主要輸入国では、戦車や自走砲など兵器システムの導入と合わせて、それを効率的に運用する軍用ソフトウェアの同時提供を求める傾向がある。
ハードウェア兵器システムと国産の国防AIプラットフォームを組み合わせたパッケージ輸出体制が整えば、K-防衛産業の付加価値と競争力は現在とは次元が異なる可能性がある。サムスンSDSとネイバークラウドの国防AI参入はまだ事業参加や組織新設の段階であり、実戦配備までには技術実証、セキュリティ検証、軍側の受け入れ手続きを経る必要がある。
それでも、民間の大手IT企業が国防AI市場に戦略的資源を投入し始めたという事実自体が、K-防衛産業のソフトウェア能力強化の転換点だと評価されている。
用語解説:
K-タイタン : 米陸軍の知能型戦術指揮システムTITANをベンチマークし、国内の地形・戦術に合わせて開発中の韓国軍統合指揮統制システム。サムスンSDSが開発事業に参加している。
FDE(Field Deployment Engineer) : 顧客現場に常駐してカスタマイズされたAIシステムを構築・運用する職群。パランティアの成長モデルの核心で、ネイバークラウドが国防AX TFに導入している。
ソバーリンAI : 国家が外資に依存せず独自に保有・制御するAI体制。軍事機密・安全保障データの主権確保が目的である。
RAG(Retrieval-Augmented Generation) : 事前学習に依存せず指定したデータベースから情報を検索してAI回答を生成し、ハルシネーションを減らす技術。サムスンSDSのK-タイタンにおけるセキュリティの核心技術である。














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