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「公演当日、チケットを入手できなかった3万5000人のファンが競技場を取り囲んだ。人波が周辺の道路まで押し寄せ、一部区間で通行止めが実施された。」
メキシコ現地媒体が伝えた、ボーイズグループBTS(防弾少年団)の公演の熱狂だ。韓国を皮切りに日本や米国を経て、最近公演を終えたメキシコまでBTSの象徴色である紫が吹き荒れた。
世界中のアーミー(ARMY、BTS公式ファンクラブ)を迎える都市の飲食店では、紫色のメニューが次々と登場している。飲食市場でも紫のトレンドが高まりつつあるところにBTS効果が重なり、「パープルフード」が急速に広がっている。
▶「紫がほしい」…会場周辺ごとの“アーミーメニュー”=BTS公演地ではグッズだけでなく食べ物でも趣向を凝らした紫メニューが並ぶ。初公演が行われたソウルでは、紫色のクッキーやアイスクリーム、紫色ソースの寿司、紫色の生地で作ったピザなどが登場した。
米国でも同様だ。現地報道によれば、タンパベイのカフェやレストラン、バーではアーミー向けに紫のドリンクやデザート、カクテルを提供したという。
注目すべきは、業者がメニューに使う紫の成分だ。昔のように人工色素で安易に紫にするのではなく、大半が天然由来の食材を使って開発されている。人工色素を避ける消費者が増えたためだ。紫を出す天然素材としてはウベ、ラベンダー、紫芋、ブルーベリーなどが挙げられる。
▶天然色素+パープルトレンドの相乗効果で拡大=これまでパープルフードは「食べ物」で目にすることが少ない色だった。食欲をそそる色とは言い難く、紫を生み出す食材も限られていたためだ。
しかしここ数年でフードカラーとして注目され始めた。世界的な色専門企業が紫をフードカラートレンドに選出した。昨年、デンマークの天然色素開発企業オテラ(Oterra)は薄紫をトレンドに挙げた。米国の香料会社T. Hasegawa USAも紫のトレンドに注目している。企業の2024年トレンドレポートは「紫はZ世代の志向に合う色」と分析し、「Z世代は大胆な色と健康的な食材成分に関心が高い」と指摘した。
グローバルな市場調査機関ユーロモニターも同様の見解を示す。エミル・パジラ氏(ユーロモニター アジア太平洋フードインサイトマネージャー)は「紫はSNSでインスタ映えする色として人気がある」と述べ、「紫を主要なマーケティング手段にする食品企業の事例が増えている」と分析した。
とりわけ「人工色素を避ける傾向が続き、自然由来の紫色の植物が使われている」と指摘した。
▶神秘的な紫…「心理的満足効果も」=パープルフードの中で最も注目されるのはウベとラベンダーだ。ウベは主にカフェでラテやケーキに使われる。ラベンダーはウベより色が淡く、薄紫を出しつつほのかな花の香りが加わる。飲料のほか、ソース、ディップ、シーズニングなどに用いられる。
コーヒーチェーンのポールバセットも新メニューをすべて紫色のラインで展開し、ウベとラベンダーを活用した。ポールバセットの関係者は「単に味覚に訴えるだけではなく、視覚的に強烈で神秘的な雰囲気を作り出す紫の素材を使った」と説明した。
紫色は視覚的な印象だけでなく、栄養面でも心理的満足をもたらす。紫色を生む抗酸化物質アントシアニンの効果だ。実際、昨年国際学術誌『Nutrients』(栄養素)に掲載された研究では、12週間アントシアニンを十分に摂取した中年層で抑うつ症状の改善がみられたという。
色彩心理学でも紫は落ち着きやリラックスを象徴する。シン・ジェヒョン江南ブルー精神科院長は「色が情緒に与える影響は個人差があるが、一般に紫は創造性や安定感と結びつく」と述べ、「自分にとって心地よい色を見つけることは情緒の安定に役立つ」と説明した。
ユク・ソンヨン記者













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