
万物が緑を増す5月、魚介市場の魚種構成も季節の変化に合わせて一変する。多くの刺身向け魚は産卵期に入り脂が抜ける時期で、脂の乗りを期待しにくいが、産卵のために沿岸へ入ってきて大量に水揚げされるコストパフォーマンスの良い魚を狙えば、賢い買い物ができる。
有名な水産物専門家キム・ジミンが運営するYouTubeチャンネル「入質の思い出TV jiminTV」では、5月の旬の水産物を余すところなく紹介して話題になっている。

ただし「天然物」という言葉に惑わされて無闇に買うと、産卵期特有の落ちた刺身の品質でいわゆる「損」をする可能性があるため注意が必要だ。
今食べるのにちょうどいい、コスパの良い刺身

5月に楽しむコスパの良い刺身としては、ボリスズキ、天然のヒラメやマダイ、ビョンオ、アナゴが挙げられる。 標準名がスズキのボリスズキは養殖を行わない100%天然物で、弾力のある食感が特徴。5月の上〜中旬までが適期だ。5月1日から17日まで西川(서천)周辺で開かれる天然タイ・ヒラメ祭りの期間には、普段より安く該当魚種に出会えることが多い。
このとき卵が膨らんだ個体は刺身より煮付けや鍋向けで、刺身を求めるならオスや背側に身ののった個体を選ぶと良い。3kg以上の大型ヒラメは加熱調理用として購入し、フィッシュアンドチップスやヒラメのガーリックソテーなどに使うのも一案だ。

5月から7月にかけて脂がのる小型の刺身向けビョンオは、骨が柔らかくなる時期なので骨ごと切って食べやすく、サムジャンやマクジャンと合わせると一味違う。アナゴは血に毒性がある部分があるため、きれいに洗ってから脱水機で水分を完全に抜いてから食べる必要があり、野菜と合わせた刺身和えも勧められる。
新たに出回り始める刺身用と調理用の魚たち

新顔の刺身には、チョムノンオ(점농어)、クロテンアジ(흑점전갱이)、ミノ(민어)、ヒラメ類(도다리류)、チャリドム(자리돔)などが加わる。 チョムノンオは天然物と養殖両方とも味が良く、縞模様のアジと呼ばれるクロテンアジは日本産の養殖ものが中心に出回り、夏に向けて脂が乗ってくる。滋養食として人気のミノは、価格が高騰する6〜7月の土用前に当たる5月に食べるのが経済的だ。ヒラメ類は身が充実する時期だが骨が硬くなるため、骨ごと切るよりも卸して活魚の刺身として楽しむのが旨味を堪能しやすい。


済州(제주)旅行の参考になるチャリドムは、産卵期で骨が柔らかくなる5月から7月が旬。体長40cm以上の大型ドッダム(伝説の深海魚とは別種)や活きた전갱이(活アジ)も刺身として推奨される。
調理用の魚には、生のチャムジョギ(참조기)、ヤンテ(양태)、ヨンソデ(용서대)、ウナギがある。 生のチャムジョギは小型でも身が柔らかく、鍋や辛い汁物に向く。西海で「장대」と呼ばれるヤンテはよく乾かして蒸し物や焼き物に合い、南海の大型チャムヤンテは鍋や刺身にも適する。仁川と京畿圏の港で見られるヨンソデは身が厚く、煮付けやステーキ向けだ。淡水ウナギと呼ばれるウナギは需要が集中する7月前に購入するのが有利で、1kgあたり3〜4尾構成の物が多い中、処理後の重量が700g以上のものを選ぶと良い。
甲殻類や貝類も今が旬

甲殻類や軟体類、貝類も豊富に出回る。西海岸の港では젓새우や北海のエビが多く出荷され、メスの花ガニは6月上旬までシーズンが続く。강화도(江華島)や西海岸で採れる国産ハマグリは粥や鍋に重宝するが、市場には中国産が多いため産地確認が必要だ。産卵のため沿岸に入ってくる大型の模様イカは4月から既にシーズン入りし、5月も活発に漁獲される。済州では甘みのある紫色のイカやチャンオジンオ(창오징어/한치)が旬に入り、そのほか王ウニガイ、ビダンガリビ(비단가리비)、ガリマチ貝、タルゴルバン(털골뱅이)などが5月の食卓を彩る。ゴルバン類を調理する際は、毒性のあるテトラミン(白い粒)を必ず取り除く必要がある。

最後に、フグの刺身、新子(햇멸치)、メバル(볼락)、ジュンチ(준치)、バンデン(밴댕이)、황석어なども5月まで楽しめる水産物だ。 国産のズワイガニ(대게)とトゲウニ(뿔소라)は6月から禁漁期に入るため、5月が最後のチャンス。甲イカ(갑오징어)や멍게、미더덕も5月まで旬を保つので、産地情報を確認して選べば豊かな5月の海の幸を満喫できる。
動画を視聴したネットユーザーは 「チャリドムの旬だね。美味しい」「役に立つ情報」「今回の旬の水産物動画最高」「バンチは玉ねぎに包んで食べると美味しい」「カンドダリ美味しい…甘みが出てきた」などとコメントしている。
生の刺身を安全に食べるために…寄生虫・食中毒予防の注意点
生の刺身を食べる際は、寄生虫感染と食中毒のリスクを下げるための基本的な衛生ルールを必ず守る必要がある。刺身は加熱しないため、原料の状態と取り扱い過程が安全性に直結する。
代表的な危険要素は寄生虫だ。海の魚にはアニサキス(Anisakis)幼虫がいる可能性があり、これを十分に取り除かないで摂取すると腹痛や嘔吐を引き起こすことがある。アニサキスは主に内臓に存在するが、処理過程で筋肉に移動する場合があるため、刺身用の魚は内臓を速やかに除去し、目視で確認する必要がある。特に生きた幼虫が問題を起こすため、適切な冷凍処理を施した原料を使うことが重要だ。
食品衛生基準によれば、寄生虫予防には一定温度以下での冷凍が有効とされている。十分に冷凍することで寄生虫が死滅する。したがって、生魚を買う際は冷凍履歴があるか、衛生的に管理された製品かを確認すべきだ。
細菌による食中毒も主要な危険因子である。魚は収穫後、時間の経過とともに細菌が急速に増える可能性がある。特に夏場はビブリオ菌など海産物由来の食中毒菌が増えやすく、より注意が必要だ。これらの細菌は十分に加熱すれば死滅するが、刺身のように生で食べる場合は原料管理と流通過程が鍵となる。
予防の基本は新鮮な材料選びだ。生臭さが強いものや色が変わった魚は避け、冷蔵状態が維持された製品を選ぶ。購入後はできるだけ早く食べることを勧める。
調理過程でも交差汚染を防ぐことが重要だ。魚の処理に使った包丁やまな板は他の食材と分けて使い、使用後は洗浄と消毒を徹底する。手の衛生も必須で、調理前後には必ず手を洗うこと。これは一般的な食中毒予防の基本で、各種食品安全ガイドラインでも強調される点だ。
保管温度の管理も重要だ。刺身は常温に長時間置くと細菌が急増するため、食べるまで冷蔵状態を保つこと。いったん出した刺身を再び長時間保存するのは安全ではない。
免疫が弱い人は特に注意が必要だ。子ども、高齢者、妊婦などは食中毒や寄生虫感染で症状が重く出る可能性があるため、生魚の摂取を控えるか、より慎重に選ぶべきだ。
このように、生の刺身は新鮮さの管理、寄生虫対策、衛生的な調理環境、適切な保管といった条件が揃って初めて安全に楽しめる。加熱しない食品である以上、摂取前の段階から徹底した管理が求められる。













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