
最近、ある小学生の研究がオンラインで話題になり、昆虫学界を驚かせた。日本の小学生が「蝶は幼虫時代の記憶を持つのか」との好奇心から実験を行ったのだという。アメリカの昆虫学者の研究を参考に、幼虫にラベンダーの香りと弱い刺激を繰り返し与えたところ、成虫になってからもラベンダーの香りを避ける行動を示した。つまり、幼虫時代の記憶が残っている可能性が示唆された。
蝶が幼虫時代の記憶を保持するように、政治家にも最後まで忘れてはならないものがある。それは「初心」だ。
選挙の時期になると、候補者は市民の前で初心を失わないことを約束する。より良い地域をつくる決意や市民への献身も同時に誓われる。しかし、初心を最後まで守り抜くことは決して容易ではない。
今回の地方選に際して筆者の初心は「原則」と「公正さ」だった。共に民主党全北道党委員長として、特定の人物を優遇するための公認ではなく、党員や市民の選択が可能な限り公正に反映されるよう、原則と基準を守ることを旨とした。今回の予備選はこれまでになく厳格な基準と検証のもとで行われ、候補者は激しい競争と評価を経た。予選期間中に知事候補の除名や選挙区の変動といった混乱も生じたが、そうした局面だからこそ揺るがせにしてはならないのは原則と公正さである。
今、選択と責任の時が近づいている。選挙は最終的に市民の審判に晒される。有権者は常に冷静で厳しい。だからこそ、最後の瞬間まで最も大切に守るべきは、初めて市民の前で交わした約束だ。
しかし、初心だけでは十分ではない。選挙での決意は誰でも述べられる。重要なのは、時間が経っても初めの約束を忘れないことだ。初心が出発の心なら、恒心はその心を最後まで保持する力である。権限が大きくなるほど緊張感は薄れ、慣れが最初の切実さを奪う。ゆえに政治でより重要なのは、初心を語ることではなく、最後までそれを実行する恒心である。
現在、全北には決して軽くない課題が山積している。地方消滅や人口減少、若者の流出、地域経済の停滞など、解決すべき問題が多い。選挙が相手への中傷や対立に終始するなら、住民の疲弊感と政治への嫌悪は一層深まるだけだ。今こそ消耗的な対立や政争を超え、地域の未来と住民の暮らしのための解決策を共に考える時である。
住民が政治に望むことは大袈裟なものではない。選挙時と当選後で変わらない政治、約束を忘れずに最後まで実践する政治が求められている。市民は言葉ではなく行動で政治の誠実さを判断する。初めに市民の前で交わした約束を着実に守るとき、はじめて政治への信頼は回復し得る。イ・ジェミョン大統領はSNSに「権限を持つということは同じ量の責任を負うことを意味する」と記した。市民に託された地位は享受するための座ではなく、地域の変化と住民の暮らしのために献身する場であるという意味だ。
残り少ない選挙運動期間、候補者は初めて市民の前に立ったときの心のまま最後まで最善を尽くすべきだ。有権者も一票をもって地域の未来を選ぶべきである。民主主義は結局、市民の参加を通じて完成される。互いを尊重する成熟した競争の中で、今回の地方選が地域の未来を共につくる過程として終わることを期待する。
윤준병 国会議員(共に民主党·チョンウプ市・コチャン郡)













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