
外の気温は徐々に上がっているが、まだひんやりとした風が吹いている。行動しやすい気候に、どこかへ出かけたくなる。昼が本格的に暑くなる前に出かけたいというわけだ。
風に吹かれる青い丘を思い浮かべつつ、今回のコラムでは「列車」を題材にしたクラシック音楽を2曲紹介する。アントニン・ドヴォルザークとヨハン・シュトラウス2世の作品だ。
ドヴォルザーク : 「8つのユーモレスク, Op.101」、7番『やや遅く、優雅に』
ドヴォルザークは生粋の列車好きだった。時間があると駅へ出向き、新型機関車の番号を手帳に書き留めて覚えるほど熱心に観察したという。ニューヨーク滞在中も、故郷チェコへ帰れない寂しさを紛らわせるためにロングアイランドの駅やセントラルパーク北側へ行き、列車を眺めながら散歩していた。
列車の光景から音楽的な着想を得ることも少なくなかった。1894年に作曲された「8つのユーモレスク」の中で特に有名な7番も、そうした逸話と結びつけて語られることが多い作品だ。
伝えられるところでは、作曲の行き詰まりを感じていたドヴォルザークが駅へ行き、列車の揺れや車輪の軋み、機関の低い響きからモチーフを得てその一部をスケッチしたという。その旋律を時間をかけて練り上げ、軽やかな付点のメロディに郷愁を込めて「ユーモレスク7番」を完成させた。
ドヴォルザークは1892年から1895年までニューヨークのアメリカ国立音楽院(National Conservatory of Music of America)で院長を務めていたため、この時期は故郷への思いが一層募っていたと考えられる。そうした背景を知ってから聴くと、「ユーモレスク7番」のリズムが列車の車輪の規則的な動きを連想させ、どこかへ出かけるときの高揚感が伝わってくる。37秒あたりから現れる叙情的な旋律には深まった郷愁が感じられるはずだ。あなたはどう感じるだろうか。
ヨハン・シュトラウス2世 : 「楽しい列車ポルカ, Op.281」
一方、ヨハン・シュトラウス2世の「楽しい列車ポルカ」も列車と密接に結びつく、2拍子の快速舞曲だ。19世紀中頃は鉄道網が急速に発展し、以前より手軽に速く旅できるようになった時代であり、旅行者が増えた社会的な潮流が音楽にも反映された。
ウィーンを代表する作曲家シュトラウス2世は、そうした時代の空気を取り込み「楽しい列車ポルカ」を作曲した。列車旅行の楽しさを音楽で表現したこの曲は、1864年1月19日にウィーンで開催された「産業協会舞踏会」で初演された。
冒頭、4秒から5秒付近に聞こえる「タンタンタンタン」という速いリズムは列車の車輪のはずみを模したように聞こえ、1分22秒からの管楽器の長い音は機関車の汽笛を想起させる。列車が駅を出発したり通過したりする情景を連想させるのだ。テンポの速さは列車の速度感を、明るい音色は旅に浮き立つ観光客の気分を表しているように思える。
音楽の聴き方に正解はない。思いのままに想像を広げながら楽しんでほしい。個人的にはこの2曲を聴くとすぐに列車に乗ってどこかへ出かけたくなる。清凉里駅を出発して、江原道のどこかの小さな駅へ向かう軽い想像をしてしまう。
幸福なこの季節、あなたは列車でどこへ行きたいだろうか。
文 · ユ・シンエ – クラシック音楽作家
著書: 「ロマンス・イン・クラシック」、「ベートーヴェンを除いてクラシック」
ピアノ専攻後、クラシック専門記者、KBSクラシック番組の音楽コーディネーターを歴任。現在は講演やブックトークを中心に活動している。













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