1960年代後半から1980年までに生まれたを指すX世代は、「節約」を旨とする既存世代とは異なり、「消費」を積極的に行った初の世代と分析される。経済的な豊かさの中で育ち、個性が強い彼らは「デジタル移民」と呼ばれるようにアナログ時代に育ちデジタル時代へ適応した世代でもある。そのため受容する文化の幅も広く、大衆音楽市場の多様性を牽引した主役とみなされる。ここでは、彼らが享受してきた音楽を「歌謡TOP10」90年代の資料をもとにZ世代へ紹介する。「編集者注」
◆「歌謡TOP10」1996年5月第2週:緑色地帯「終わりのない愛」
◆歌手・緑色地帯は、
1994年にデビューした權善國と郭昌宣の男性デュオで、デビューアルバムには歌手兼シンガーソングライターの金範龍がプロデューサーとして制作に参加した。デビューアルバムのタイトル曲「愛をするよ」は発売から1年で複数の音楽番組で首位に立つという異例のヒットを記録し、注目を集めた。
そこから2作目のタイトル曲「終わりのない愛」や、その後のシングル「準備のない別れ」「괜찮아(大丈夫)」「私が守ってあげる」「秋の伝説」「そう、遅くはない」などのヒットを連発し、1990年代後半の人気を確立した。特に当時の歌謡界はダンス音楽が主流だったが、彼らは卓越したボーカルを生かしたバラードで支持を集めた。
1998年に創設メンバーの權善國が脱退し、金アルムが客演として加わって4集『そう遅くはない』がヒットしたが、5集を最後にグループは活動を一時休止した。2003年に權善國が復帰して6集を発表したものの同年に再び解散。6年の空白の後、郭昌宣が15年来の友人である趙元敏を迎えて2009年に7集を発表したが、その後は緑色地帯の名義でのアルバム活動は停止したままだ。
2016年にはJTBC『トゥユープロジェクト – シュガーマン』に創設メンバーの郭昌宣と權善國が共演する場面があった。ただし現在は各自ソロで活動している。
◆「終わりのない愛」は、
1995年発売の正規2集『緑色地帯II』に収録された楽曲で、1集のタイトル曲「愛をするよ」を手掛けた李成煥が作曲した。タイトル曲「準備のない別れ」の成功に続き、後続曲「終わりのない愛」も音楽番組の首位候補に何度も挙がった。
この曲には電話の音、救急車のサイレン、生命維持装置の音などの効果音が挿入されているが、作曲者の李成煥が1995年に発生した三豊百貨店の崩落事故で妻を失った男性の話を基に制作したとされる。この背景が歌詞に宿る切なさと結びつき、聴衆に強い印象を残した。
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