
モンテネグロはバルカン半島西部に位置する小国だ。知られていない名前かもしれないが、風景だけを見ればヨーロッパの旅行先の中でも強烈な印象を残す。西はアドリア海、北へ向かえばディナールアルプスの険しい山々が連なる。
クロアチアのドゥブロヴニクから日帰りや1〜2泊で組み合わせて訪れることが増えたが、実際にはモンテネグロは日帰りだけではもったいない。中世の城塞都市、海上の小さな村、ビーチリゾート、国立公園、峡谷まで、ひとつの国に多彩な景色が凝縮されている。
コトル

まず紹介したいのは、ユネスコ世界文化遺産に登録された中世の要塞都市コトルだ。ヨーロッパ最南端に近いフィヨルド状の湾を抱え、穏やかな海と巨大な岩壁が織りなす景観は圧倒的だ。
城壁に囲まれた旧市街に足を踏み入れると、迷路のように入り組んだ石畳の小道や、何世紀も前の面影を残す大聖堂が出迎える。路地のあちこちで見かける愛らしい猫たちのおかげで、「猫の街」と呼ばれる愛称もある。
山の斜面に沿ってそびえる城壁の頂上まで登れば、オレンジ色の屋根と紺碧の海が織りなす忘れがたい大パノラマを一望できる。
ペラスト

コトル近郊で合わせて訪れたいのがペラストだ。コトル湾の奥に位置する小さな港町で、古い石造りの建物と穏やかな海が静かに調和している。コトルが観光の中心地然としているのに対し、ペラストはより落ち着いた港町の趣がある。
もっとも有名なのは海上に浮かぶ小さな聖堂の島だ。ボートで容易に訪れることができ、外せない定番スポットとなっている。混雑した旧市街より静かな雰囲気を求めるなら、ペラストの方が響くだろう。スヴェティ・ステファンもモンテネグロを象徴する景観のひとつだ。
ブドヴァ

次は地中海らしい活気とロマンがあふれるリゾート都市、ブドヴァへ向かう。モンテネグロ海岸観光の中心地で、昼はまばゆい日差しの下で透き通った海に泳ぎ、夜は夜市やパブが賑わいを見せる。
2500年以上の歴史を持つ旧市街の城壁沿いを歩き、波の音を聞きながら散策するのが格別だ。
特に近郊にある島全体が高級リゾートとなっている世界的ランドマーク、スヴェティ・ステファンは、赤い屋根と青い海が作るエキゾチックな光景で、印象的な写真を残すのに最適だ。
ドゥルミトル国立公園

海岸の景色を離れて内陸へ深く入ると、ディナールアルプスの荒々しい姿が広がり、大自然の本質が姿を現す。ユネスコ世界自然遺産に登録されたドゥルミトル国立公園は、壮大な針葉樹林と、かつての氷河が溶けてできた青い湖が調和する観光名所だ。
氷河湖のブラックレイク(黒い湖)周辺を巡るトレイルは、清冽なフィトンチッドの香りとともに心身を癒す時間をもたらす。さらに、ここにはアメリカのグランドキャニオンに次いで世界で二番目に深いタラ川の渓谷があり、巨大な橋から見下ろすスリルある絶景や、ジップラインなど多様なアクティビティを楽しめる。
モンテネグロは小さな領土に信じがたいほど多様な大自然の驚異を詰め込んだ国だ。EU加盟国ではないがユーロを公式通貨として採用しているため、周辺国と組み合わせた旅行もしやすい。次の休暇シーズンにはありきたりな観光地を離れ、手つかずの大自然と中世の浪漫が共存するこの地へ足を伸ばしてみてはどうだろうか。













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