

仁川の沖合には大小合わせて192の島(有人40、無人152)が点在する。これらの島は船賃が高く、海を渡る移動の負担もあって市民が気軽に足を運べない存在だった。
幸いにも昨年初めから沿岸旅客船の運賃が公共交通水準に引き下げられ、海洋観光の風景にも変化が表れ始めている。
その中心にあるのが仁川市の旅客船運賃支援政策「アイ(i)バダパス」だ。島への訪問を促す多様な施策が連動し、観光客は着実に増えている。

▲バダパスで近くなった島…観光客も急増
西海最北端の白翎島はアイ(i)バダパスの受益地域の一つだ。内陸から約220km離れ、快速船でも約4時間を要する遠隔地である。
一般席の運賃は7万5900ウォンに達し、市民にとって大きな負担だった。しかし昨年1月のアイ(i)バダパス導入で状況は一変した。仁川市民はわずか1500ウォンで旅客船を利用できるようになり、島へのアクセスが画期的に改善された。
アイ(i)バダパスは、これまで島の住民にのみ適用されていた運賃優遇を仁川市民全体に拡大した点が特徴だ。支援対象は甕津郡の20島と江華郡の5島、計25島を結ぶ旅客船である。

外部からの観光客の流入も目に見えて増えた。他地域の住民に適用される割引率が従来の50%から70%に拡大され、島旅の経済的負担が大幅に軽減されたことが要因だ。
市の数値もそれを裏付ける。市によれば昨年の沿岸旅客船利用者数は208万6564人で、2024年の188万2930人から約11%増加した。
他地域からの利用者は13万3248人で前年より48%(4万2880人)増加しており、外部流入の効果が明確に現れている。
市民の支持を受け、市は今年も旅客船運賃支援を継続する。アイ(i)バダパスには国費と市・郡費を合わせて202億6800万ウォンが投入される。
ただし観光客増に伴い、一部の島ではごみの不法投棄や山菜の不法採取が相次ぎ、島の住民の懸念も深まっている。
これを受け市は不法採取やごみ不法投棄の取り締まりなど「アイバダ守り」事業を進め、観光秩序の確立に乗り出す方針だ。
市の関係者は「アイ(i)バダパスは海上交通政策の新基準を示し、全国的な模範事例と評価されている。今後も仁川の自然資源である島の価値を高め、観光活性化と地域経済の成長に結びつく政策を継続的に発掘・拡大していく」と述べた。

▲仁川島の路線図構築…島へのアクセスが一目で
併せて市は、仁川の島の位置とアクセス経路を一目で把握できる「仁川島路線図」を作成した。島を遠くて不便な場所ではなく、容易に見つけ移動できる生活圏として認識させるための地図だ。
この事業は2023年の行政安全部の地域特化公募事業に採択されて推進された。市は2024年10月から今年1月までに総額10億ウォンを投じ、仁川の島を網羅する統合ブランド開発と路線図の構築を完了した。
統合ブランド「仁川島」を軸に観光拠点となる島を結ぶ体系づくりが事業の狙いだ。市は直感性と代表性を考慮し、ブランド名を「仁川島」、スローガンを「내 앞에 인천섬(私の前に仁川島)」に決定したと説明している。
今回制作された路線図は旅客船の移動情報を視覚的に簡略化し、島ごとの位置と航路を直感的に把握できる構成になっている。
路線図の制作はアイ(i)バダパスと連動し、相乗効果を生むと市は期待している。アイ(i)バダパスが島へのアクセスを高め訪問者を誘引したなら、路線図は「どこへどう行けるか」を分かりやすく示す案内役を果たす。
市は統合ブランドを実空間に適用する試験事業も並行して実施している。徳積島を対象に真理港の船着場ゲート整備や徳積島海駅の看板改善、象徴的な拠点整備を進め、当該島のブランド化を図った。老朽化した施設を整備しつつ既存構造を維持し、色彩やデザイン要素を反映して島の第一印象を改善したとの評価を得ている。
市は今後、仁川島路線図の普及を積極的に進め、市民の島へのアクセス向上を目指す計画だ。そのため仁川観光公社、仁川港湾公社と連携し、仁川島関連のモバイルアプリ開発や旅客ターミナル環境改善などの後続事業も推進する。

▲宝島119パノラマ…島観光のデジタル化
市は島地域へのアクセス手段をデジタルで拡張し、観光活性化に拍車をかけている。
昨年、宝島119パノラマを構築し、市民が実際に訪れなくても島を体験できる基盤を整備した。
この事業はドローンと360度カメラで島の主要名所を撮影し、それをパノラマ映像化して仮想旅行サービスを提供することに重点を置いている。
仮想旅行先は仁川を代表する観光島で、甕津郡の徳積・子月・北島の3面に属する14の島だ。市民は市の地図ポータルで宝島119パノラマにアクセスし、コンテンツを体験できる。
市はサービス普及のための広報にも力を入れている。昨年の「K-GEO Festa」と仁川市民の日のイベントで体験ブースを運営し、約1800人がコンテンツを体験した。仁川港沿岸旅客ターミナルでも出張VR体験サービスを展開し、利用者接点を拡大している。
これに関連して市が実施した市民満足度調査では95件中「非常に満足」84件、「満足」11件で、回答者の大半が宝島119パノラマに好意的な反応を示した。
市は今後もVR体験サービスを継続運営し、コンテンツ拡充と広報を並行して進める計画だ。
市の関係者は「仁川の美しい島を積極的に発信し、より多くの市民が島を体験できるようスマート観光サービスを拡大していく」と述べた。
/イアジン記者 atoz@incheonilbo.com













コメント0