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世界が地球村として結びついた20世紀以降、本格的に展開した大衆音楽史で最も著名な人物の一人、マイケル・ジャクソン(1958-2009)の生涯を描くハリウッド映画『マイケル』が5月13日に公開される。
だが、この映画のポスターにはマイケルの6作目のアルバム『Thriller』(スリラー、1982)のジャケットデザインが流用されている。黒い背景に輝く金色の文字は、黒人というだけで過小評価されがちだった彼が、黒人音楽の枠を超えてポップ全体の王者であり革命児として浮上する瞬間を象徴しているように見える。

マイケル・ジャクソンは、兄弟で結成されたジャクソン5(後のジャクソンズ)で歌とダンスの両面で最も優れたメンバーとして注目された。このスター性を背景にソロでも十代のうちに4枚のアルバムを発表し、大人になって出会った黒人音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズと組んだ5作目のアルバム『Off the Wall』(オフ・ザ・ウォール、1979)を発表した。『Off the Wall』は商業的に大成功を収め、当時も今も最高のディスコアルバムの一つと評価されている。しかし、アルバムタイトルが示す「壁を乗り越える」という志にもかかわらず、マイケルとクインシーの“ポップ征服”の野心はまだ完全には達成されていなかった。

◆音楽の境界を壊し、ダンスの時代を切り開く
二人が3年という試行錯誤の時間を費やした末に世に放った『Thriller』で、『Off the Wall』の理念を具現化した曲の一つが「Beat It」だ。マイケルの音楽人生で初めてロックを取り入れたこの曲は、ギタリストの中のギタリストと称されるエディ・ヴァン・ヘイレンのギターが見どころで、黒人音楽と白人音楽のクロスオーバーの嚆矢と見なされた。歌詞も人種差別への批判を含み、『Off the Wall』の精神を体現している。ミュージックビデオでは実際のロサンゼルスの抗争関係にある二つのギャングのメンバーが出演し、マイケルが歌とダンスで仲裁する物語が描かれている。
「Billie Jean」は大衆音楽界にダンスの時代を到来させた。永遠のトレードマークとなるムーンウォークを披露し、これまで楽曲に添えられる技術にすぎなかったダンスを楽曲と同等に重要な要素として浮かび上がらせた。ちょうど音楽を「目で見る」MTVの時代と合致したこともあり、新しい大衆音楽の様式が提示された。
そのため「Billie Jean」は、華やかなダンスを必須とする韓国のアイドル音楽、すなわちK-POPの源流の一つとされる。最初のアイドルは英国のロックバンド、ビートルズに遡るが、アイドル産業の細部を体系化し世界に広めたのはマイケルだと評して差し支えない。この曲はマイケル自身が作詞・作曲を手掛け、さまざまな面でマイケル・ジャクソンそのものといえる作品だ。

◆人類史上最多販売のアルバム
同名の表題曲「Thriller」はミュージックビデオの地位を押し上げた象徴的事例だ。表題曲でありながらアルバム発売から1年近く経ってからシングルとして動き出し、その段階で短編映画レベルのミュージックビデオで注目を集めようというマーケティング案が出た。しかしレコード会社のCBSは巨額の制作費に難色を示して支援を拒否し、結果的にMTVなど映像業界の出資でビデオが制作された。
マイケルが狼男やゾンビを演じ、ゾンビダンスの群舞も見せる13分のミュージックビデオは、クリスマスシーズンであった1983年12月3日にMTVで公開され大ヒット。発表から1年を経たアルバムを再びチャートの頂点へ押し上げる成果を生んだ。その後半世紀を経て、ミュージックビデオは大衆音楽の必須要素となり、楽曲よりも重要視されることさえある。
この三曲だけを見ても、マイケルが大衆音楽界に与えた影響と先駆的な視点は他のミュージシャンと比べるべくもなく、それが『Thriller』という一枚のアルバムに凝縮されている。累計で7000万枚から1億枚以上が販売されたと伝えられ、人類史上最も売れたアルバムという記録が事実上破られる見込みはほとんどないという表現は、驚嘆というより妥当だ。
『Thriller』が大衆音楽の流れに鮮明な分岐点をもたらしたのを目の当たりにして、1984年の米タイム誌はマイケル・ジャクソンの影響力を次のように要約した。「音盤・ラジオ・ミュージックビデオのスター。音楽界を救った人物。今後10年の音楽のリズムを作り出した作曲家。街で最も華麗な足さばきを誇るダンサー。趣味やスタイル、さらには人種まで、すべての境界を壊す歌手。マイケル・ジャクソン、25歳。」













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