国産技術で開発された艦対空迎撃ミサイル「海弓」(K-SAAM)は、量産開始から7年でマレーシアへの初輸出(約1400億ウォン)を果たし、注目を集めている。2011年に国防科学研究所が主導して開発され、2019年からLIG D&Aが量産している。今回輸出された海弓はマレーシア海軍の沿岸警備艦3隻に搭載される見込みだ。
2022年4月、ロシア海軍の黒海艦隊旗艦「モスクワ」が撃沈される事件があった。世界の主要メディアは「現代版ダビデの石投げ」と表現して注目した。主因は、ウクライナが独自に開発した射程208kmの対艦巡航ミサイル「ネプチューン」である。
当日、ウクライナはネプチューン4発を発射し、うち2発は近接防御兵器で失われたが、残る2発は艦の中心を正確に直撃した。ネプチューンはアゾフ海全域と黒海の約3分の1を攻撃可能な射程を持つ。この事件を契機に、軍艦の艦対空迎撃ミサイルの重要性が改めて浮上した。
2023年、国防技術品質院が公開したミサイル映像が話題となった。国産迎撃兵器とされる艦対空迎撃ミサイル「海弓」の品質認証射撃試験で、発射と迎撃に成功した映像だ。海上から2発の海弓を試験発射し、いずれも標的に命中させることに成功している。この映像により「海弓」は艦を守る最後の防衛手段と見なされるようになった。
国産迎撃ミサイル「海弓」の機能はどうか。飛来する対艦ミサイルや空中からの攻撃機などから艦を防護することが主目的だ。多層ミサイル防御網の一角を担い、米国のRIM-116 Rolling Airframe Missile(ラム)を補完・代替する韓国軍の戦略的兵器体系の主要装備と位置づけられている。
映像で際立つのは、垂直発射直後にほぼ90度転舵して低高度を飛来する標的に命中する方式だ。これは海弓に側推力装置を搭載し、高機動の対艦ミサイルに対して迅速な方向転換を可能にしているためである。側推力装置は中距離地対空迎撃ミサイル「天弓-Ⅱ」にも装備されている。
音速の約2倍に相当する速度で、最大20km離れた敵航空機や対艦巡航ミサイルを迎撃できる。全長は3.08mで、1発当たりの価格は約10億ウォン程度。艦の韓国型垂直発射機(KVLS)には4発ずつ搭載され、2021年から大邱艦やマラド艦などに配備が始まっている。次期韓国型駆逐艦(KDDX)にも搭載される予定だ。
海弓の強みの一つは、亜音速の対艦ミサイルはもちろん、マッハ2程度の超音速対艦ミサイルも迎撃可能な点だ。中露日など周辺強国はマッハ3以上の超音速対艦ミサイルを配備しているが、北朝鮮が配備中とされる新型KH-35級対艦ミサイルは亜音速である。
海弓が超音速対艦ミサイルにも対応できるのは、二重探査器など高精度な誘導装置を備えているためだ。海弓は無線周波数(RF)探査器と赤外線画像(IIR)探査器を併用し、敵対艦ミサイルの捕捉と追跡の成功率を高めている。RF探査器はミサイル前部に、IIR探査器は前側面に取り付けられているとされる。
低高度を飛行する対艦ミサイルをRF探査器で追跡すると、波による干渉で捕捉・追跡が制約される場合がある。この場合はミサイルが発する熱を追うIIR探査器を用い、追跡と撃破の成功率を高める。特にミリ波レーダーセンサー技術を活用して敵ミサイルの弾頭部を近距離で識別し、「ヒット・トゥ・キル」による直接迎撃も可能だ。
何より、音速の2〜3倍を超える超音速対艦ミサイルは、胴体が損傷しても慣性により高速飛行を続け艦に被害を与え得るため、遠距離で完全に破壊することが艦防御では最重要になる。そのため研究陣の努力で国産化率を80%超に引き上げ、防御力を向上させた。
海弓は、首都圏を脅かす長射程砲を迎撃するために開発中の「韓国型アイアンドーム」LAMD(Low Altitude Missile Defense)体系のミサイルとしても活用される見通しだ。LAMD用迎撃ミサイルには海弓の探査器を簡素化して価格を抑えつつ標的探知能力を確保した「海弓改良型」を適用する計画と伝えられている。

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