
タルトとアメリカーノを注文した高齢の客は、料理が運ばれてからしばらくタルトには手を付けず、アメリカーノだけをちびちびと飲んでいた。やがて、その客は覚悟を決めたように、初めて見るタルトを少しずつ口に運び始めた。
カメラはその客がタルトを食べ終えるまで静かに見守る。視聴者も65歳以上の高齢者がデザートを一つ完食するまで、その様子をじっくりと眺める。見ているうちに、視聴者は案外深い思索に沈むことになる。
新作バラエティ『봉주르빵집』は、近年ほぼ定期的に制作されている俳優中心のヒーリング系バラエティのひとつだ。番組のコンセプトは「シニアカフェ」。参加した脚本家キム・ランジュは、父が喫茶店のケーキを喜んで食べる姿から、65歳以上のみが入店できるカフェを思いついたと制作意図を説明している。
『봉주르빵집』は、全羅北道高敞(コチャン)のある村にあった閉店したスーパーをリモデルして開いた、国内初のシニアカフェだ。65歳以上の客とその同伴者のみ入店できる。このカフェで出すデザートは、SNSで話題の品に引けを取らない「ビジュアル」と「味」を備えている。
同番組の個性的なデザートは、俳優チャ・スンウォンが作る。パティシエ役のチャ・スンウォンのそばで補助パティシエを務めるのは新人俳優イ・ギテク。ホールを取り仕切る店主役には国民的女優キム・ヒエ、コーヒーを淹れるバリスタは俳優キム・ソンホが担当する。
四人の俳優と高敞の年配客、噂を聞つけて訪れた“シニア”客が『봉주르빵집』でどう溶け合うかは、8日に放送された第1回で垣間見られる。デザート作りに集中するチャ・スンウォン、朝食にこだわるイ・ギテク、誰より早く出勤して黙々と店を掃除するキム・ソンホ、パン屋の周囲の年配客と穏やかに語らうキム・ヒエの姿が映される。
四人の俳優の、騒がしくない準備時間の合間に高敞の年配者たちの静かな日常が断片的に挟まれる。そして、パン屋を訪れた年配者たちが久しぶりに味わう癒やしによって、視聴者もまた共に癒やされる体験をする。
本格的な『봉주르빵집』の営業は来週からさらに賑やかになると予想される。やや遅れての新しい体験をする年配者たちの姿が楽しみだ。『봉주르빵집』は毎週金曜日午後4時にクーパンプレイで独占公開される。













コメント0