【ヘラルド経済=部愛理記者】 「絶対に起床禁止。隣の人がいびきをかいても反則ではない」
先月31日、ソウル・城東区のソウルの森でユハンキムベルが主催した『森の中のぐっすり眠る大会』の会場には、そんな注意書きがあちこちに貼られていた。このイベントは、飼い主と愛犬が文字通り深い眠りにつくことで順位を競う大会だ。この日、韓国各地から飼い主と愛犬がソウルの森に集まった。
犬1頭と飼い主1人が1チームとなり、計30チームが参加した。応募は1140チームに達し、競争率は38対1だった。大会は参加希望のエピソードを記して応募する方式で、ユハンキムベルによれば、保護犬を飼っているケースや忙しい日常でストレスを抱えているといった、ストーリー性のある応募を優先して選んだという。
木立が生い茂るソウルの森の一角に設けられた会場は、静かで落ち着いた空気に包まれていた。日陰にはビーンバッグソファが数十個並べられ、時折聞こえる鳥のさえずりと穏やかなBGMが重なって、横になると自然に眠気が訪れる。隣には愛犬が寝転べるピクニックマットが敷かれていた。編み込みヘアのプードルから、色とりどりのパジャマを着た犬まで、多彩な参加者が見られた。
午前9時に始まったプログラムは、大会前の緊張をほぐすペットマッサージからスタートした。飼い主と愛犬がともにリハビリマッサージやコミュニケーションマッサージを行い、心理的な落ち着きを取り戻して「寝る準備」に入る。準備時間にはアイマスクの着用やウェアラブルベストの装着などが行われ、大会の体制が整えられた。
午前9時30分から10時30分までが本戦で、約1時間の間にストレス指数の減少率が最も高かった参加者が優勝となる方式だ。参加者は心拍数、心拍変動、呼吸数、自律神経のバランス比を総合して「ストレス指数」を算出する計測機器を組み込んだベストを着用し、大会前後の変化を比べて数値が最も安定した者が勝者に選ばれる。愛犬がどれだけぐっすり眠ったかは今回の評価には含まれない。
本戦が始まると、飼い主たちは各々くつろげる姿勢で眠りに入った。愛犬と一緒に寝る者もいれば、飼い主の腕に抱かれて景色をぼんやり眺めたり周囲を探索する犬もいた。最初は周囲に警戒心を見せた犬でも、飼い主が眠りにつくとたいていは一緒に休息モードに移った。
この日の優勝者はソウル・江南区から参加したハン・ドアさん(39)。ハンさんは大会前後の約1時間でストレス指数が約18%低下した。優勝者には江原道洪川にあるソノペット ビバルディパークの1日宿泊券が贈られた。ハンさんは「前夜に寝不足だったことが逆に勝因になったかもしれない。専門家が快適な雰囲気を作ってくれて熟睡できた」と笑った。
大会では「ベストパジャマ賞」も用意され、快適なパジャマで参加した人の姿が目立った。今回ベストパジャマ賞に選ばれたクン・ミジさん(34)は韓服を着て参加した。クンさんは「愛犬と一緒にきれいな写真や動画を残したくて韓服を選んだ。多くの犬が集まる場なので、犬の社会性を育む良い経験にもなった」と話した。
参加者の事情はさまざまだった。ソウル・江南区から来たイ・ウィジンさん(37)は「うちの犬はもともとおっとりした性格で、周囲から勧められて参加した」と述べ、「森で一緒に思い出を作れることに意義を感じる」と語った。忠清北道清州から高速バスで来た参加者もおり、清州から来たパク・ナヒョンさん(28)は「今年初めて開催される大会なのでソウルの森を見て、愛犬と体験してみたくて遠方から来た」と話した。
![先月31日、ソウル市城東区ソウルの森で開かれたユハンキムベル『森の中のぐっすり眠る大会』で、参加者たちが愛犬とともに熟睡している様子。 [部愛理記者]](https://cdn-union.tenbizt.com/contents/crawler-dev/image/2026/06/CP-2023-0083/image-afd2ac68-9cf1-41b7-8119-ca7a1048e587.jpeg)
ユハンキムベルは2016年から「森の中のぐっすり眠る大会」を開催している。同社の社会貢献キャンペーン「私たちの강산を青く青くする」の一環で、参加者が森で休息を取りながら自然の価値や健やかな睡眠の重要性を体験できるよう企画されたイベントだ。今年も先月30日に「第11回 森の中のぐっすり眠る大会(人のみ参加)」が開かれ、70人が参加した。この大会にも1万人以上が応募し、競争率は172対1となった。
「私たちの강산を青く青くする」キャンペーンはユハンキムベルが1984年に始めた国内最長の森・環境公益キャンペーンで、植樹や森を媒介に気候変動や環境問題への取り組みを続けている。これまで国内外で5800万本の樹木を植え育ててきた。特に今回会場となったソウルの森は同社にとっても縁の深い場所で、ユハンキムベルは2003年のソウルの森造成時に約3000坪の森林造成に参加した。
今年はペットを飼う人口が1000万時代に入ったことを受け、初めて愛犬と一緒に参加する「森の中のぐっすり眠る大会」を開催した。近年は若年層を中心に都市の忙しさから離れて自然で癒やしを求める動きが広がっており、実際この日の大会にはMZ世代(1981〜2011年生まれ)の女性参加者が多く、ブランドイメージの向上にも寄与する見込みだ。ユハンキムベルはクリネックス、ハギス、グッドフィールなどの生活・衛生用品を製造する企業である。
ユハンキムベル社会責任ワーキンググループのリーダー、パク・チョルヨンは「最近、ペットの飼い主が増えているため、彼らをターゲットに自然の美しさと森の効能を伝えようとこのイベントを始めた。若い世代にユハンキムベルの各ブランドを知ってもらう機会にもなっている」と述べた。













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